ノルウェーの年越しは町じゅうで新年を祝う【ノルウェー留学】
年明け5分前、先ほどから聞こえていた打ち上げ花火の音がしだいに多くなってきた。
外に出ると、川の向こうの町から丘のふもとの住宅街まで、四方八方から花火が上がっている。どこか一カ所で大きな花火が上がるのかと思いきや、いろんな自宅から自由に打ち上げられていた。
結構遠い距離の花火も見える。プロの花火師ではなく個人で上げるものにしては、結構本格的な花火のようだ。
常にいたるところで打ち上げられる赤や黄色の花に夢中になっていると、気が付いたら年が明けていた。
カウントダウンなんてものはない。来たる新年への期待を爆発させるかのような花火があがり、年が明ければその喜びを表すかのように激しくなった。
真っ暗な夜空に四方からあがるいくつもの花火。まるで町そのものが新年を祝っているかのようだった。
小さな田舎町という印象だったこの町に、たくさんの存在を感じた。
10分もすると、町中に充満しているであろう火薬のにおいを強く感じるようになった。年が明けて20分、だんだん花火の音が弱まってくる。
そういえば今日は花火だけでなく星もよく見える。このまま晴れていれば朝には初日の出が拝めそうだ。ノルウェーの日の出は遅い。9時までに起きれば間に合うだろう。
日本とまったく違う新年の明け方は、とても新鮮で興奮するものだった。