私の青春の中学時代はもうすぐ10年前になろうとしている。
たまたまYouTubeのホームにAKB48の「Eveyday、カチューシャ」の動画がでてきた。
懐かしさを感じて動画を再生する。
これは私が中学1年生のときに、林間学校で行われたクラスごとの出し物で踊った曲だ。
リリースされてちょうどくらいで、旬の曲だった。
振りを練習しながら何度も聞いたその曲は、久々に聞いた今でも私のなかでまったく色あせていない。
先頭に立ってクラス皆に振付のレクチャーをしてくれた友人、そのときの風景もあたまに浮かぶ。それをきっかけに、中学時代のさまざまな出来事を思い出した。
つらい練習と向き合った部活の日々。スパルタな顧問が怖かったこと。責任感より好奇心でなった委員長。今思えば非効率な力技で好成績を修めていた勉学。
つい、この前のことだと思っていた。
しかし実際は、その”ついこの前”が積み重なって、”10年も前”のことになろうとしていることに気づく。
ついこの前まで大学生になったばかりだった。ついこの前まで高校生だった。高校生の頃は、ついこの前まで中学生だった。
過去を振り返ると、時の流れはあっという間だ。
あっという間に過ぎてしまった私の10年。ついこの前に感じる10年前。
しかし10年あれば世界は大きな変貌を遂げる。
世界の変化にともなって、私たちの生活、思想、常識も変わる。
大抵はじわじわと私のなかに浸透してくる。だから大きな変化があったようには感じない。
こうして過去を振りかえり、比較することで初めて気づくのだ。
何気なく流したなつかしの曲は私を思考の渦へ引き込んだ。
そうして私は自身の青春がはるか昔の出来事になっていたことにノスタルジックを感じながら、自分の変化にも気づいたのだった。